ちっちゃいけどパワフル。いつも元気いっぱいの現役獣医師が、厩舎や牧場のごく普通の日常をご紹介します。
五輪馬術~義眼のアスリート~
2012年08月07日 (火) | 編集 |

ロンドン五輪で連日寝不足のみなさんもいることでしょう

日本人選手、そして世界中のアスリートから毎日元気と勇気をもらっているのは私も同じです

オリンピックは日ごろ目にすることのない、"マイナーな"競技が観られる貴重な機会でもあります

それは馬術も同じ

NHKでストリーム中継してくれていることで

たくさんの目に触れることになったことは本当に喜ばしいことですね

この大会で注目されているアスリートについての記事を読みましたので紹介します





今年のワールド・ドレッサージ・マスターズに出場したスウェーデンのTelde選手Santana号

彼、Santana号の左眼は義眼です

Telde選手は39歳で1歳2ヶ月の男の子の母親

04年のアテネ五輪にも出場しています

Santana号は11歳の種牡馬

Telde選手は彼を3歳から調教し、5歳で購入しました

事故が起こったのは3年前

ある朝馬房にいたSantana号の左眼の異変に気づきました

眼球表面に大きなキズ・・・腫脹もひどく、浸出液が出ていました

何年も生活して慣れていた馬房

彼に何が起こったのかは今もわからないそうです

すぐに獣医師を呼び、そのまま病院へ

手術により、投薬しやすいようカテーテルを装着しました

「一週間、4時間おきに薬を入れました」

獣医師の往診は毎日

米国の専門医にも相談しながら治療は続けられました

「できる限りのことは全てやった。けれど彼の眼球はよくならなかったの」

獣医師との相談の結果、彼女はSantana号の眼球摘出を決意、シリコン製の義眼を装着しました

Santana号のケガと治療、そしてTelde選手の産休もあり、7ヶ月ほど騎乗する機会がなかったそうです

片眼を失った馬との信頼関係は・・・

「両眼がある馬との信頼関係を築くことだって大変なこと」

「彼には声だけが頼り。動作のたびにいつでも声をかけた」

「Santana号には強い自尊心がある。こちらも自尊心を持って接した・・・そして何より彼はこの競技が好きだった」

復帰してすぐの競技会ではカメラのシャッター音に反応してしまったそう

そして二人がオリンピックレベルに達したのはつい最近

今年の1月だったそうです




もともと種牡馬として繋養されていたSantana号

いずれ種牡馬へと復帰するそうです




オリンピックにはアスリートの数だけ物語がある

それはヒトもウマも同じ





あと少し

寝不足でもいいかな・・・

そんな気持ちになります
コメント
この記事へのコメント
カンスケさま
馬術競技、見入ってしまいましたね!本当に素晴らしかったです。
法華津さんにも感動しましたv-354
野島さんにいらしたんですね。お会いしたことがあるかもしれませんよv-410
2012/08/11(土) 20:09:51 | URL | ハリケーンドクター #NL852uQM[ 編集]
良かったですね
ハリケーンドクターさんには、本当に良い事を教えて頂いたような気がします。
感動の物語ですね。
話は変わりますが、ハリケーンドクターさんは、生産牧場とかにも往診に行かれたりしているのですか、自分は以前に緑町の野島牧場で働いていたことが有りましたよ。
2012/08/07(火) 19:15:50 | URL | カンスケ #-[ 編集]
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