ちっちゃいけどパワフル。いつも元気いっぱいの現役獣医師が、厩舎や牧場のごく普通の日常をご紹介します。
Stay Gold
2015年02月09日 (月) | 編集 |

2015年2月5日

種牡馬ステイゴールド号が天に旅立ちました

21歳…サラブレッドでは高齢といえる歳でした

彼は1996年12月1日に阪神競馬場でデビューし、2001年12月16日香港競馬場でのレースを最後に引退

50戦7勝の成績以上に彼のレーススタイル、そして個性あふれる性格に魅力を感じていたのは私たち関係者だけではないでしょう

ブリーダーズ・スタリオンステーションで種牡馬生活を送っていた頃の様子をごらんください


馬房は産駒のナカヤマフェスタ号(右)の隣でした
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二頭はどんな会話をしていたのでしょうね


ステイはニャンコに優しかったね
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「あ…」
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フェスタ 「とうちゃん、ニャンコ行っちゃったね」
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ステイ 「うん…行っちゃった」



馬に携わる方の多くがそうだと思いますが

馬の死は…何度経験しても慣れることはありません

そんな時、そばにいる命に支えられることがあります

いなくなった馬の血を継いでいるならなおさらです





ステイがいなくなった翌日

スタリオンではナカヤマフェスタ号の種付けがありました

種付けを終え、スタッフから撫でてもらうフェスタ
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「お疲れさま」



馬房に帰ったフェスタは相変わらず愛嬌いっぱい

ベロを出す仕草もいつも通り
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スタッフに引っ張ってもらってご機嫌
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いつもと変わらない馬たちには癒されます





フェスタの馬房の隣は

きれいに寝藁が敷かれ、新しい乾草が置かれていました

主のいない馬房には
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祭壇が設置されていました


ステイゴールド号は人に媚びる馬ではありませんでした

病気もせず

獣医師の手のかからない馬でした

そして

最後の最後まで弱みを見せず

どんなに苦しくても耐える馬でした

それは彼の決して諦めないレーススタイルと同じ

種牡馬になってからも、その実力で自らの評価を大きく変えました



聡明で、勇敢で、孤高で、カッコよくて…

私たちはそんな貴方をもっともっとみていたかった







「まだ実感がわかなくて…」

スタリオンのスタッフはいつも通りに馬房を整え

いつも通りに彼の名前が書かれた飼い葉おけを置いています
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ステイが旅立った日は夕陽の美しい日でした

これからゆっくり貴方の居ない日を受け入れていくのでしょう

そして貴方の偉大さをこれからもっと感じるでしょう

産駒たちに面影を探し

産駒の走りに心を躍らせながら

私たちも前に進もうと思います





「ステイはファンの馬でもあったんです」

ブリーダーズ・スタリオンの方が言っていました

いつも一緒にいたスタッフの方々は悲しい思いをしているはずです

偉大な種牡馬と、最期まで寄り添ってくれたことに心から感謝します



ステイゴールド号の遺骨は

今日9日の夕方、スタリオンのみんなのもとに帰ってきました

これからもみんなのそばでずっと見守っていてください

どうか安らかに…




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Good-bye, Warrior
Rest In Peace